研究課題
若手研究
当初は微分幾何学・微分トポロジーに関わる純粋数学的な研究を計画していたが、それにとどまらず代数トポロジーやホモトピー論にも研究内容を広げることで、理論物理学とも深い関係があることが判明し、課題期間の後半では物理学者を含めた共同研究を主とするに至った。研究期間全体を通して、トポロジカルモジュラー形式およびSegal-Stolz-Teichner予想という、ホモトピー論と物理学を結びつける深いトピックの研究に踏み込み、数学・物理双方にさまざまな研究成果を出すことができた。
数理物理学
代数トポロジーやホモトピー論は抽象化が進んだ結果、純粋数学的には面白いものであってもごく最近までは理論物理学への還元がほとんどなされてこなかったといえる。しかし本研究はホモトピー論の深い結果を理論物理学に実際に応用した先駆的な研究と言える。例えば本研究で構築した量子異常の分類に関する一般論は, 量子異常の解析やトポロジカル物性における相の分類に応用されている。また、量子異常の消滅を示した結果は理論物理学から大きな反響があった. それに続く研究も進んでいる.