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2022 年度 実施状況報告書

写像の特異点論からの曲面の研究とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K14312
研究機関長崎大学

研究代表者

加葉田 雄太朗  長崎大学, 情報データ科学部, 助教 (40830097)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード特異点論 / 写像の微分幾何学 / 曲面 / 曲線族 / ガウス曲率負一定曲面 / 視覚の数理 / 輪郭
研究実績の概要

2022年度は曲面や曲線とその射影写像に関して,特異点論を用いた微分幾何学的研究方法,およびそれを用いた曲面の分類に関して以下の研究活動を行なった.
[A. 曲線や曲面の微分幾何学的研究] 前年度に引き続き可積分系との関連や視覚の数理など他分野への応用という観点から曲線や曲面の局所微分幾何学的な性質の研究を推進した.とりわけ,福井氏(埼玉大学)との共同研究により,ガウス曲率負一定曲面の中で2-ソリトンというサインゴルドン方程式の中の特別な解のクラスに対応する曲面のクラスの分類を特異点論的観点から行った,これによりA. Popovが2011年に与えた分類に対してより明快な特徴づけを与えることができた.
[B. 曲線や曲面の射影に関する研究] 前年度に引き続き,曲線や曲面の射影写像について,元の曲線や曲面とその射影像との関係について局所微分幾何学的な観点から研究を行なった.特に,安生氏(OLM Digital)との共同研究で,曲線族の微分幾何学を応用した視覚の数理における順問題と逆問題を解くための基礎理論を発展させた.また,佐治氏(神戸大学)と長谷川氏(岩手医科大学)との共同研究で輪郭線が特異点を持つ場合へのKoenderinkの定理の拡張について研究した.
本科研費のテーマに関連して,写像の微分幾何学にについての高橋氏(室蘭工業大学)との共著論文が出版された.また,上記の研究成果の一部を国際研究集会(オンライン)や国内研究集会で発表し,国内外の研究者と情報交換を行なっている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍の影響で一部の共同研究の停滞はあった一方で,ガウス曲率負一定曲面の研究に関して予想以上に良い結果が得られたと考えているため.

今後の研究の推進方策

2022年度に得られた成果をもとにして,曲面や曲線とその射影写像の特異点論を用いた微分幾何学的研究方法の確立目指す.そのためにも共同研究者との打ち合わせを綿密に行う.また,本研究課題では他分野への応用も目標としているので,様々な分野の研究者との交流もおこなう.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により代表者の出張や外部機関の研究者の招聘などが予定していたように実行できなかったのが主な理由である.次年度において,研究課題達成に必要となる出張を行うことと,外部からの研究者の招聘に,次年度使用額を使用する予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] UFSC(ブラジル)

    • 国名
      ブラジル
    • 外国機関名
      UFSC
  • [国際共同研究] Sanford Burnham Prebys(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Sanford Burnham Prebys
  • [雑誌論文] Three-dimensional topological radiogenomics of epidermal growth factor receptor Del19 and L858R mutation subtypes on computed tomography images of lung cancer patients2023

    • 著者名/発表者名
      Ninomiya Kenta、Arimura Hidetaka、Tanaka Kentaro、Chan Wai Yee、Kabata Yutaro、Mizuno Shinichi、Gowdh Nadia Fareeda Muhammad、Yaakup Nur Adura、Liam Chong-Kin、Chai Chee-Shee、Ng Kwan Hoong
    • 雑誌名

      Computer Methods and Programs in Biomedicine

      巻: 236 ページ: 107544~107544

    • DOI

      10.1016/j.cmpb.2023.107544

  • [雑誌論文] One‐parameter families of Legendre curves and plane line congruences2022

    • 著者名/発表者名
      Kabata Yutaro、Takahashi Masatomo
    • 雑誌名

      Mathematische Nachrichten

      巻: 295 ページ: 1533~1561

    • DOI

      10.1002/mana.201900327

  • [学会発表] 曲面上の曲線の射影の微分幾何2022

    • 著者名/発表者名
      加葉田雄太朗
    • 学会等名
      京都産業大学数理科学科談話会
    • 招待講演
  • [学会発表] Several extensions of Koenderink's formula2022

    • 著者名/発表者名
      Yutaro Kabata
    • 学会等名
      MSJSI
    • 国際学会
  • [学会発表] 多目的最適化問題の幾何とその応用2022

    • 著者名/発表者名
      加葉田雄太朗
    • 学会等名
      統計連合大会
  • [学会発表] 曲面上のガウス写像と直交射影,それぞれの特異点の関係について2022

    • 著者名/発表者名
      加葉田雄太朗
    • 学会等名
      金沢創発数理セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 特異点論からの輪郭研究2022

    • 著者名/発表者名
      加葉田雄太朗
    • 学会等名
      3次元画像コンファレンス

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公開日: 2023-12-25  

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