研究課題/領域番号 |
20K14313
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小池 貴之 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30784706)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 半正直線束 / 上田理論 |
研究実績の概要 |
まず今年度は、従来のジーゲル型の線形化定理の手法とは全く異なる手法に基づく、直線束の半正性に基づく部分多様体近傍の力学系的性質(特に線形化問題)を主に扱った。本研究テーマは単独研究の形で進めてきたものである。今年度はその序盤からコロナウイルス感染拡大の影響のため共同研究に大きな支障が出たため、この研究課題を予定よりも優先したものである。名古屋大学・大沢健夫名誉教授の助言の下、氏のハルトークス型拡張定理とレビ平坦超曲面に関する研究について学び、その中で得た知識と技術を活用することで、本事業申請時に一つの目標に据えていた予想の解決をいくつかの意義のあるクラスに於いて得ることができた。またこの結果は思わぬ応用を持つことも大沢名誉教授からの指摘により判明した。この結果は既にプレプリントの形で発表済みであり、現在投稿中である。この成果を、主にオンライン講演の形で、本分野の主だった国内・国外セミナー・集会に於いて積極的に発表し、関連する情報収集と打ち合わせを行った。また文部科学省共同利用・共同研究「Grauert理論と最近の複素幾何」を名古屋大学・大沢健夫名誉教授と共同で開催し、ここでも上記結果について講演を行い意見交換等行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルス感染拡大の影響のため共同研究に大きな支障が出た。特に予定していた出張・招へい計画が全て無と帰した事実は無視できない。その一方で先述の通り個人で行ってきた研究を集中的に進めることができ、その結果予期していた以上の進展が得られた。以上により総合的には、おおむね順調な進展であると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、コロナウイルス感染拡大の影響について変化があった場合、順次柔軟に出張・招へいを行うことで共同研究での研究計画の推進を行う。特に岡山大・上原崇人准教授との共同研究や北京師範大学・Zhiwei Wang氏との共同研究は思わぬ進展を見せ始めているため集中的に行う。感染拡大の影響が続く場合にも、オンライン集会・セミナー・打ち合わせの開催等を通じ徐々に研究協力関係の構築・連携体制の強化に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の影響により数多くの招へい・出張計画が中止となり研究遂行計画の変更が生じたため。
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