研究課題/領域番号 |
20K14320
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
坂田 繁洋 福岡大学, 理学部, 講師 (30732937)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | たたみ込み / 狭義凸性 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績は、今井淳氏(千葉大学)との共同研究に基づく。非負値関数の弱い意味での上への狭義凸性を考察した。ここでの弱い意味での上への凸性は、power concavity とよばれる。弱い意味で上に凸な非負値関数のグラフは、変曲点をもつが、山が1つだけである。弱い意味で上に狭義凸な非負値関数の最大値を与える点は1個以下であるため、非負値関数が弱い意味で上に狭義凸になるための十分条件は、最適化問題への応用が期待され、重要な研究課題である。本研究では、2種類の関数の弱い意味での上への狭義凸性を考察した。 (1) fとgをn次元Euclid空間で定義された非負値可測関数とする。fとgは弱い意味で上に凸であると仮定する。このとき、fとgのたたみ込みも弱い意味で上に凸になることが知られている。証明には、Borell--Brascamp--Liebの不等式を用いる。本研究では、この事実の仮定に条件を付加することで、fとgのたたみ込みが弱い意味で上に狭義凸になることを示した。すなわち、本研究の新規性は、たたみ込みの上への狭義凸性である。 (2) fをn次元Euclid空間と区間Iとの直積で定義された非負値可測関数、gをn次元Euclid空間で定義された非負値可測関数とする。fとgのn次元Euclid空間の変数に関するたたみ込みが、n次元Euclid空間と区間Iとの直積で定義された関数として、弱い意味で上に狭義凸になるための十分条件を与えた。区間Iから1点をとり固定し、fとgのたたみ込みをn次元Euclid空間で定義された関数とみなすことで、(1)の十分条件が従う。 本研究成果を、第144回日本数学会九州支部例会・特別講演で発表(オンデマンド配信)した。本研究成果を、学術論文の形にして、査読付き学術雑誌へ投稿し た。本報告書作成時点で、査読審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく、研究計画の大部分を制限したため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染状況が収まり次第、当初の研究計画を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、自宅からの外出を大幅に制限した。新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて、可能な限り、当初の研究計画を遂行する。
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