柳田氏(東京大学)との共同研究では、Hardy-type のポテンシャル項に非整数ブラウン運動の動きをする動的特異点をつけた3次元以上の熱方程式の解析を進めた。ここでは、非整数ブラウン運動のハースト指数によって、解の存在・非存在が変わることが判明した。詳細には、非整数ブラウン運動の local time の大偏差原理の評価が必要となり、これを求めた。 また、Amir Dembo氏(Stanford大学)との研究においては、単純ランダムウォークの軌跡を領域としたときの capacity の3次元以上の場合の重複対数の法則について研究を進めた。次元dが4以上の場合はd-2次元の単純ランダムウォークの volume の重複対数の法則と同じオーダーであることがわかった。一方、3次元の場合は、1次元の単純ランダムウォークの volume の重複対数の法則と違うオーダーになることがわかった。また、3次元の単純ランダムウォークの capacity と1次元の単純ランダムウォークの volume に関する相関を求めた。 さらに、Arka Adhikari氏(Stanford大学)との研究においては、単純ランダムウォークの capacity の中偏差原理を評価した。ここでは、その rate function が Riesz 関数で重みづけされた Gagliardo-Nirenberg の不等式に依存することが判明した。
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