空間的に狭い領域で大きな振幅で振動し、そこから離れると急速に減衰するような波を局在波と呼ぶ。本研究では、局在波が2次元結晶においてどのように形成されるかというメカニズムについて研究した。結晶の連続変形による欠陥導入に着目し、以下の2つを理論的に明らかにした。(i) 2方向に結晶を並進する操作で結晶の角の部分に欠陥を導入すると、角にエネルギーが集中したコーナー状態と呼ばれる状態を生成できる。(ii) 2方向の並進方向を逆方向にしたひねり操作を考えると、移動量のベクトル和はゼロにも関わらず結晶境界で波動局在化が生じる。さらに、上記の2つのメカニズムについて実験的にも検証した。
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