近年、トポロジーと呼ばれる逆格子空間における波動関数のつながり方の性質の観点からの固体の電子物性の理解が進んでいる。このようなトポロジーの概念は電子のみならずマグノン等のボソン系にも拡張されつつある。本研究ではカゴメ格子反強磁性体ジャロサイトを舞台にマグノンのバンドトポロジーを検証した。単結晶試料を水熱合成法によって育成し中性子非弾性散乱実験を行うことで、Γ点からM点にかけて3本のマグノンモードの分散を観測した。加えてΓ点周りにおける大きな方向依存性及びバンド間での強度分布の反転している様子が観測され、Γ点周りにおいてマグノンがねじれたトポロジーを有していることと合致する結果を得た。
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