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2022 年度 実績報告書

2次元反強磁性体界面のスピン効果

研究課題

研究課題/領域番号 20K14399
研究機関東京大学

研究代表者

井土 宏  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任准教授 (20784507)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード2次元物質 / 反強磁性 / スピントロニクス
研究実績の概要

本研究課題では2次元物質における反強磁性相に着目し、その界面におけるスピン効果を対象としている。特に2次元反強磁性体のもつ高い結晶性と、そのヘテロ界面を利用することでその素励起や秩序パラメータとどのように相関するかを追及している。
2022年度においても2次元反強磁性体相を持つ物質を、プラチナと接合し、その界面の輸送現象を通じてスピン物性を検出する研究を引き続き推進した。これまでの実験から、面内磁場下の伝導度の角度依存性が、特徴的な振動を示すことを明らかにしている。特に、その振動位相から、強磁性相ではなく、反強磁性相において期待される信号と合致し、2次元物質のない試料を参照試料として行った同様の実験とは、特徴的な信号は有意に異なることを明らかにしている。一方で、温度依存性と磁場依存性を詳細にみると、反強磁性では解釈しきれない特徴を有することが、複数の試料から明らかになった。そこで、反強磁性秩序を一般化し、磁場印可方向に直行する量子化軸を有する、という概念により、磁気秩序も磁気超格子も存在しない場合を理解できることを明らかにした。これは、スピン秩序が壊れたと相においても一定の信号を得ることができる、重要なプローブを同定したことを意味している。スピン秩序が壊れた相に関して、引き続き共同研究者との議論を精力的にすすめた。この概念をさらに進めて、別の物質系において、従来電気的に検出することが難しかった磁気状態の検出についても進めた。また、新たな共同研究者と、そのような試料の光学的な評価も行った。
2次元反強磁性体を舞台として、電気的検出手法を駆使することで、界面にけるスピン効果を確実にとらえることに成功している。予想された反強磁性相の効果を超えて、新しい現象をみつけ、新しい概念を導入することで理解することができた。その枠組みを複数の物質に援用することで新奇な物性開拓を行うことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] オーフス大学(デンマーク)

    • 国名
      デンマーク
    • 外国機関名
      オーフス大学
  • [国際共同研究] パデュー大学/オークリッジ国立研究所/テネシー大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      パデュー大学/オークリッジ国立研究所/テネシー大学
  • [雑誌論文] Modified magnetism in heterostructures of Cr<sub>2</sub>Ge<sub>2</sub>Te<sub>6</sub> and oxides2023

    • 著者名/発表者名
      Llacsahuanga Allcca A. E.、Idzuchi H.、Pan X. C.、Tanigaki K.、Chen Y. P.
    • 雑誌名

      AIP Advances

      巻: 13 ページ: 015031~015031

    • DOI

      10.1063/9.0000413

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Emergent spin-dependent interaction via the interface of quasi two-dimensional Cr2Ge2Te62022

    • 著者名/発表者名
      H. Idzuchi
    • 学会等名
      International Conference on Quantum Materials and Technologies - ICQMT2022
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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