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2021 年度 実施状況報告書

次元性とキャリア濃度を同時制御した新規カルコゲナイド系層間化合物の創製

研究課題

研究課題/領域番号 20K14418
研究機関一関工業高等専門学校

研究代表者

佐藤 和輝  一関工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (80847286)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード超伝導材料 / インターカレーション / カルコゲナイド系層状物質 / 有機分子 / 新物質開発
研究実績の概要

本研究では,種々の層状カルコゲナイド化合物に対し,金属と有機分子のコインターカレーション(共挿入)によるキャリア濃度と層間長の同時制御を試み,より高い超伝導転移温度Tcを持つ新物質の探索および新奇物性の開拓を進めている。
前年度の研究において,鉄系超伝導体FeSeにリチウムと直鎖モノアミンをコインターカレートすることで,Fe-Fe層間長が最高で55.7Åまで飛躍的に伸長した新規FeSe系層間化合物の合成に成功し,Tc =42-43 Kを示すことを発見した。
令和3年度は,FeSe系層間化合物におけるTcとキャリア濃度の関係を明らかにすべく,2価金属であるアルカリ土類金属と直鎖有機分子のエチレンジアミンを用いたコインターカレーションを試みた。その結果,高温・高圧下で反応させるソルボサーマル法を採用することにより,アルカリ土類金属とエチレンジアミンをコインターカレートした新規FeSe系層間化合物の合成に成功し,Tc ~ 43 Kを示すことを発見した。次元性を変化させるため,種々のアミン系直鎖有機分子でも試料合成を試みたが,前述したエチレンジアミンを除き,アルカリ土類金属とのコインターカレーションには成功していない。
次年度も引き続き,コインターカレートする金属と有機分子を多種多様に変化させ,カルコゲナイド系層間化合物におけるTcとキャリア濃度および結晶構造との相関についてさらに詳細に調査する。新たなホスト物質としては,電荷密度波を示すCuTeや共有結合性が強いSnX2 (X = S, Se)を候補として考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和3年度は,アルカリ土類金属とエチレンジアミンをコインターカレートした新規FeSe系層間化合物の合成および物性評価を中心に行ってきた。他のホスト物質においては,試料合成までは実施できたが,COVID-19の影響による出張制限のため,詳細な物性測定は行えていない。そのため,令和3年度の研究について「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

令和3年度に得られた結果を基に,コインターカレートする金属と有機分子を多種多様に変化させて,カルコゲナイド系層間化合物におけるTcとキャリア濃度および結晶構造との相関についてさらに詳細に調査する。電荷密度波を示すCuTeや共有結合性が強いSnX2 (X = S, Se)に対しても金属と有機分子のコインターカレーションを試み,さらに新しい超伝導体の創製を目指す。

次年度使用額が生じた理由

(理由)次年度使用額は,COVID-19の影響による出張制限や購入希望物品の欠品等に伴い発生した未使用額である。
(使用計画)令和3年度未使用額は,令和4年度の物品費と旅費として有効に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ホールドープ型無限層Ni酸化物La1-xCaxNiO2の合成2021

    • 著者名/発表者名
      田村静流, 林崎祐汰, 川股隆行, 加藤雅恒, 佐藤和輝
    • 学会等名
      令和3年東北・北海道地区高等専門学校専攻科 産学連携シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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