本研究は反強磁性体およびフェリ磁性体中のマグノン(量子力学的なスピン波)に着目し、マグノンと光(電磁波)との相互作用や、両者の量子力学的類似性を活用することで、「光学的マグノンBarnett効果」「光学的マグノンJosephson効果」「マグノンCasimir効果」等の新たな量子光学物性を明らかにした。電子のもう一つの自由度であるスピンを有効活用し、電荷に基づくエレクトロニクス分野では見落とされていた磁性絶縁体の活用方法を明らかにした本研究成果は、従来のエレクトロニクスを凌駕する省エネルギー技術の開発を目指すスピントロニクス(スピン・エレクトロニクス)の基礎学理の構築に大きく貢献する。
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