研究課題
本研究課題では,プラズマを電磁力により加速させる「m = 0半周期プラズマ加速法(m:電場の周方向モード数)」と「回転磁場加速法」の2種類の加速法において,電磁加速力に支配的な条件解明に基づく推進機設計理論の構築を目的とする.・m = 0半周期加速法:昨年度に設計・作製した大電流共振インバータ回路と,昨年度作製したスラスタテストセクションを使用して,電磁加速力に必要な駆動磁場の検証を行った.電磁加速力の評価に必要なm = 0加速コイルが誘起する時間変動磁場を,作製した小型3軸磁気プローブ(センサ幅が6 mm程度)により計測し,理論解析と同等の磁場強度,時間変動を確認した.しかしながら,電源の動作に一部不具合がみられ,プラズマ放電時の安定した共振回路駆動が困難となる問題が生じたため,現在この解決に向けた改良方法を検討・調査中である.推進機設計理論構築の指標として,先行研究で作成された2次元周方向電流駆動計算コードを活用し,各条件(m = 0交流電流周波数,最大電流振幅,スラスタ直径など)における周方向電流駆動分布を評価した.・回転磁場加速法:プラズマ中に回転磁場が完全には浸透しない条件における電磁加速効果を評価した.この条件では高い電子密度増加がみられ,RMF法由来の周方向駆動電流の効果を上回る反磁性電流に起因する推力上昇の結果を得た.この高密度化の要因としてヘリコン波伝搬の存在を検討し,波動分散関係との比較をしたところ顕著な伝搬傾向はみられず,一方RMFアンテナの投入電力モニタから,比較的高い電力がプラズマ生成に寄与する結果を得た.このRMFアンテナ形状における電力カップリングは現在調査中である.同条件では加速アンテナ下流部で高いイオン流速の上昇も見られ,完全浸透とならない条件においても推力増強に寄与する条件の存在を見出した.
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Journal of Applied Physics
巻: 131 ページ: 073507~073507
10.1063/5.0071606
Physics of Plasmas
巻: 28 ページ: 073507~073507
10.1063/5.0035383