研究課題/領域番号 |
20K14455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機能性酸化物薄膜 / 二酸化バナジウム(VO2) / 大電力パルススパッタ法 / スマートウインドウ |
研究成果の概要 |
本研究では、大電力パルススパッタ法(HiPIMS法)を用いて低温で温度相転移を示す極薄の二酸化バナジウム(VO2)をZnO/Glass基板上に堆積させることを試みた。まず、直流マグネトロンスパッタ法(DC法)とHiPIMS法を用いて、ガラス基板上にZnO薄膜を堆積させた結果、HiPIMS法ではDC法よりも低温での結晶成長が確認できた。また、同じ製膜条件の下では、HiPIMS法の方がDC法よりも成膜速度が高くなるという知見を得た。その後、HiPIMS法とDC法を用いてVO2薄膜の堆積を試みたが、従来用いられてきたような、酸素流量を一定とするプロセスでは、VO2の成長は難しいことが分かった。
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自由記述の分野 |
機能性酸化物薄膜プロセス
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、DC法とHiPIMS法を用いてVO2薄膜の下地基板であるZnO薄膜の堆積を行い、同一の製膜条件において、HiPIMS法ではDC法よりも成膜速度が高くなる知見を得た。一般にHiPIMS法はDC法より成膜速度が遅いとされているが、反応性プロセスではこの関係が逆転したので今後、その理由を明確にできれば学術・産業的に大きな貢献を与えると考える。また、本研究期間にHiPIMS法を用いてVO2薄膜の成長ができなかったことは遺憾だが、従来用いられてきた、酸素流量を一定とするプロセスでは難しいことが示唆され、今後新たな流量制御法を検討することで、VO2薄膜の成長ができることを期待している。
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