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2020 年度 実施状況報告書

デジタル量子計算を用いたゲージ理論の相構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K14479
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

富谷 昭夫  国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (50837185)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード量子コンピュータ / 格子QCD
研究実績の概要

研究課題達成のために、現在まで量子回路の効率的な実装などを議論し研究を行った。ゲージ理論の相構造探索にあたり、当初予想していなかった学際領域に位置する新たな方向性が見つかったため、そちらに主力を移した。この新たな方向性が実現できれば、元の課題達成に大きく役立ち、さらに大きな研究領域が開拓される。一方で量子コンピュータによる符号問題の解決に関しては、計算量や計算複雑性からの議論が必要となることが明らかになったため、今後はこちらの方向でも研究を推進する。特に古典的なモンテカルロ法における計算量をデジタル量子計算機で超えられるかが課題である。この他に量子回路シミュレータをGPU上で実行できるようセミナーを主催した。GPU上の量子シミュレーターはいくつか開発が進んでおり、通常のシミュレーターでは10日かかる計算をテンソルネットワーク法の応用により、1日以下に計算時間を圧縮できる。このように効率の良い量子コンピュータのシミュレーションの開発は量子アルゴリズム開発においては有用なツールであり、また量子シミュレーションはGPUの使用により大幅に高速化されるため、定式化や実装が済めばこれまで以上に研究が進展すると期待している。加えてゲージ理論をどういった形で量子コンピュータの上で実現するかなどの研究議論も遂行中である。とくにゲージ場の離散化は様々な手法が提案されているため、どの手法が本研究に適合するか検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予想していなかった新たな方向性が見つかったため、そちらに主力を移した。新たな方向性が実現できれば、元の課題達成に大きく役立つが、予想よりも実装や定式化に手間取ったために、遅れている。一方で、量子回路シミュレータをGPU上で実行できるようセミナーを主催するなど行い、シミュレーション手法の拡張に関する研究は継続中である。

今後の研究の推進方策

新たな方向性は学際領域に位置するため、他分野の研究者とも議論を進めている。またシミュレーションもGPUの使用により、大幅に高速化されるため、定式化や実装が済めば、これまで以上に研究が進展すると期待している。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、研究会や対面での議論などがなくなってしまい、旅費の使用ができなかったため。今年度は後半より、研究会なども再開される様子なので、計画通り使用していく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Thermal field theory with pure states2020

    • 著者名/発表者名
      富谷昭夫
    • 学会等名
      Asia-Pacific Symposium for Lattice Field Theory (APLAT 2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] Quantum computing for QCD phase diagram? Finite chemical potential and temperature?2020

    • 著者名/発表者名
      富谷昭夫
    • 学会等名
      (Virtual) Kickoff meeting of C2QA center
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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