中性子魔法数20付近の中性子過剰な原子核は、基底状態で変形が予測されるなど魔法数が破れている構造が実験的に示唆され、その出現機構の解明に向けさまざまな実験的研究が行われている。本研究では、スピン偏極したMg-31原子核を用いて、そのベータ崩壊によって娘核であるAl-31について実験を実施した。得られたデータについて、ベータ線の非対称度によりAl-31について7つの励起状態のスピンを含めた詳細な準位構造を初めて明らかにした。得られた準位構造について大規模核模型計算と比較し、Al-31の励起状態において球形や軸対称変形していると考えられる状態などさまざまな構造が共存していることを明らかにした。
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