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2022 年度 実施状況報告書

圧電PVDFフィルムセンサを用いた惑星間ダスト検出器の質量独立推定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K14493
研究機関千葉工業大学

研究代表者

平井 隆之  千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 研究員 (30737888)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード圧電性PVDFフィルム / 固体微粒子 / 宇宙塵 / 超高速衝突 / 自由落下衝突 / 表面波
研究実績の概要

本年度はCOVID-19の直接的影響(実験の中止など)は受けずに実験を実施することができた。ただし、実験施設側のマンパワーリソースの減少やそれによる加速微粒子の速度出しノウハウの喪失、衛星プロジェクト搭載観測装置の較正実験を優先した実験装置利用など、様々な間接的制約・影響があった。
国内実験においては、2022年11月16日に無事打ち上げられたNASAの新型ロケット「SLS」に搭載されたダスト検出器「CLOTH」の較正実験において、これまで困難であった10ミクロンオーダーの微粒子を単発でダスト検出器に衝突させる方法を確立することができた。昨年度の報告のとおり、単発衝突手法の鍵となる技術そのものは確立できていたが、散弾で撃ち出した微粒子群がストッパー板に衝突する際に発生する振動ノイズが測定信号に混入していることが発覚し、本年度はその除去方法の検討に時間を費やした。結果的にダスト検出器をチェンバー上部から吊るし、ストッパーとの距離も従来よりも大きくするなどして、振動ノイズを十分に低減することができた。その結果、従来想定していたよりも検出感度が高いことがわかり、より多くダストを検出できうることが示唆された。
米国MITでの実験では、昨年度の実験体制再構築を進め、安定的にデータ取得できる状況までたどり着いた。しかし、COVID-19以前の超高速度を達成できない状況が続いている。これはレーザーの出力や集光レンズの設置距離といったノウハウが、先方のスタッフや学生の異動により失われてしまったことが大きく影響していると考えられる。
成果発表としては上述のダスト検出器の較正実験結果等で4件の国内発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究課題とは別に参画している衛星プロジェクトのエフォート率が継続的に大きいことが、研究の遅れの大きな理由である。また、MITでの実験に2年 のブランクが空いてしまったこと、それにより先方のマンパワーリソースが減少したことも影響している。

今後の研究の推進方策

他プロジェクトのエフォートの軽減が見込めないことから、比較的簡便に実験室で実施可能な自由落下衝突実験を主体とする方策を検討している。それにより衝突速度域はメートル毎秒オーダー以下に限定されるが、月面有人探査などで懸念されているダストの舞い上がりと同じ速度域であるため、そのような分野での貢献が可能と期待している。

次年度使用額が生じた理由

使用予定額として最も大きなオシロスコープの購入について、デモ品を購入できたことで費用を大幅に削減することができたため。次年度の使用計画は主に実験 用センサ供試体の追加購入、信号読み出し回路の部品調達を想定している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (4件)

  • [国際共同研究] マサチューセッツ工科大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      マサチューセッツ工科大学
  • [学会発表] 超小型探査機EQUULEUS搭載宇宙塵検出器「CLOTH」の初期運用と観測計画2023

    • 著者名/発表者名
      矢野 創, 平井 隆之, 岩田 翔也, 中澤 淳一郎, 藤井 雅之, 新井 和吉, 藤原 正寛, 布施 綾太, 五十里 哲, 石川 晃寛, 川端 洋輔, 近藤 宙貴, 三好 航太, 中島 晋太郎, 船瀬 龍
    • 学会等名
      第23回宇宙科学シンポジウム
  • [学会発表] 6Uクラス超小型深宇宙探査機EQUULEUSに搭載する多層断熱材一体型ダスト計測器CLOTHによる月-地球圏ダスト環境計測2022

    • 著者名/発表者名
      平井隆之
    • 学会等名
      月-地球圏ダスト環境ワークショップ
  • [学会発表] 超小型深宇宙探査機EQUULEUSに搭載する多層断熱材一体型ダスト計測器CLOTHの開発状況20222022

    • 著者名/発表者名
      平井隆之,矢野創,長谷川直, 新井和吉,岩田翔也,中澤淳一郎
    • 学会等名
      第66回宇宙科学技術連合講演会
  • [学会発表] EQUULEUSへ搭載のダスト検出器CLOTHにおける地上校正実験:センサ部内部のPETネット層による影響評価2022

    • 著者名/発表者名
      岩田翔也,平井隆之,中澤淳一郎,長谷川直, 新井和吉,矢野創
    • 学会等名
      第66回宇宙科学技術連合講演会

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公開日: 2023-12-25  

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