研究課題/領域番号 |
20K14509
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川面 洋平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80725375)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ブラックホール / 降着円盤 / プラズア乱流 / 電磁流体力学 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度完成したシミュレーションコードの論文の出版を行い、超高解像度シミュレーションに必要なさまざまな解析ツールの実装を行った。また、富岳を用いたシミュレーションに向けて、富岳での並列スケーリングを取得した。まず、スケーリングについては、20万CPU以上でもほぼ理想的なスケーリングを保っているため、富岳において問題なく計算できることを示した。このコードを用いて、磁気回転乱流のシミュレーションを史上最高解像度で行い、慣性領域の到達まであと少しであることを確認した。また、非線形エネルギー伝達関数を解析するツールも実装し、富岳を用いたさらなる高解像度シミュレーションに向けて準備が整った。さらに、Strong Stability Preserving Integrating Factor Runge-Kutta法を導入し、CFL条件による時間刻みの制限を緩和することに成功した。この導入の際、シアリングボックスでは散逸項が時間依存するため、通常のIntegrating Factorを修正する工夫を行った。この工夫により、誤差を半分以下に抑えることができた。現在、このスキームに関して論文を執筆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非線形エネルギー伝達関数の実装や種々の解析ツールの実装が進んでいるため。また論文出版・執筆も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
残るは、実際に富岳においてシミュレーションを走らせ、その解析を行うことである。また並行して、シミュレーションによって得られる電磁場においてテスト粒子計算を行い粒子加速を求める準備も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外共同研究者との議論のために渡航をする予定であったが、新型コロナウイルスの蔓延のため渡航ができなくなり繰り越す必要が生じた。次年度は、繰越分を解析用コンピュータの購入に当てる予定である。
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