中性子星合体に伴い放出されるエジェクタが光学的に薄くなった以降の、キロノバ星雲期に関する理論研究を実施した。キロノバ星雲期では原子のイオン化度やイオンのエネルギー準位の分布などが熱平衡から外れ、ベータ崩壊によって生成される非熱的電子によるイオン化と加熱が再結合と原子冷却の釣り合いによって決定される。重元素の中でもネオジムに注目し、必要となる原子データを原子構造コードを用いて計算し、イオン化と準位を求め、キロノバ星雲期の性質を明らかにした。また重元素の禁制線を原子実験データに基づき作成し、観測スペクトルにテルルなどの重元素の輝線が見られることを示した。
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