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2022 年度 実施状況報告書

銀河系中心部の星形成プロセスにおける分子雲衝突の寄与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K14520
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

榎谷 玲依  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 研究員 (70808120)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード分子雲衝突 / 銀河系中心部
研究実績の概要

本研究の目的は、銀河系中心部における分子雲衝突の痕跡を数え上げ、個々の衝突現場の星形成を調べることで、銀河系中心部全域の星形成において分子雲衝突 プロセスがどの程度寄与するかを定量的に探査することである。 そのために、初年度にはまず、分子雲衝突の原理・物理プロセス・痕跡・星形成に対するイン パクトを正確に把握するために、これまでの分子雲衝突の研究をまとめ、論文として出版した (Fukui, Habe, Inoue, Enokiya, Tachihara 2021, PASJ, 73, 1)。 昨年度に引き続き本年度も、上記の分子雲衝突に見られる痕跡が銀河系中心部においても同様に見られるのか調べることを目的に、衝突が確実に起こっていると思われる領域(銀河系中心部の大質量星形成領域)に着目し、その分子ガスの詳細な解析を行った。その結果、1. 銀河系中心部においてもこれまでに報告されてきた 全ての衝突の痕跡が見つかること、2. 銀河系中心部の特異環境に起因するこの領域だけの特別な衝突の痕跡があることを発見した。これらの研究成果をまとめ、論文を投稿した(Enokiya & Fukui 2022)。 本年度は、コロナウイルスが蔓延した影響で海外渡航が難しくなったため、国際会議において上述の成果を発表する機会は失われてしまったが、その代わりに国内の対面、zoomにより開催された会議や学会に数多く参加し成果発表を行った。久しぶりの対面の国内出張においてはこれまで以上に密に意見交換を行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルスの蔓延により、国内オンライン研究会では成果をアピールできているものの、予定していたほど国際会議で研究発表を行う機会が減ったため。

今後の研究の推進方策

研究自体はほぼ終了しているがコロナウイルス蔓延の影響によって成果報告が十分にできていない。国際会議への対面参加が解禁されたため、今後は積極的に海外に成果のアピールを行っていく。また、これまで通り国内向けのオンライン・対面研究会でも研究成果を広く周知していく。

次年度使用額が生じた理由

国際会議、国内研究会に参加するために残しておいた旅費がコロナウイルスの蔓延により中止され余ったため。次年度開催された際に使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Discovery of a Giant Molecular Loop in the Central Region of NGC 2532022

    • 著者名/発表者名
      Konishi R.、Enokiya R.、Fukui Y.、Muraoka K.、Tokuda K.、Onishi T.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 929 ページ: 63~63

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ac58f7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Multiwavelength Study of the Sgr B Region: Contiguous Cloud-Cloud Collisions Triggering Widespread Star Formation Events?2022

    • 著者名/発表者名
      Enokiya Rei、Fukui Yasuo
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 931 ページ: 155~155

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ac674f

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Effect of Shock-wave Duration on Star Formation and the Initial Condition of Massive Cluster Formation2022

    • 著者名/発表者名
      Abe Daisei、Inoue Tsuyoshi、Enokiya Rei、Fukui Yasuo
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 940 ページ: 106~106

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ac9e55

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] NGC 253中心部における ガスダイナミクスの解明 II: 星形成2022

    • 著者名/発表者名
      榎谷玲依
    • 学会等名
      2022年度宇宙電波懇談会シンポジウム 「2030年代の電波天文学」
  • [学会発表] 観測データとMHDシミュレーションの 比較による銀河系中心部の 大局磁場の研究2022

    • 著者名/発表者名
      榎谷玲依
    • 学会等名
      天の川銀河研究会2022
  • [学会発表] SKA先行機を用いた星間ガスの研究 高分解能 HI/[CI]/CO 観測による強乱流場中における分子雲形成機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      榎谷玲依
    • 学会等名
      SKA-Japan ウェビナーシリーズ 第3回
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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