研究課題
若手研究
本研究成果によって、画像上の微細構造を用いた手法においては実際にICM実効粘性に制限をつけることに成功したほか、新たな手法を複数開発できた。高精度X線分光を用いた手法においては、深層学習を利用した新たなデータ解析手法を開発できた。また、打ち上げが大幅に遅れたにも関わらず、Resolveを用いて銀河団プラズマの観測データが続々と得られるようになってきており、銀河団プラズマの物理の理解が大幅に進む下地は整った。
宇宙物理学
銀河団プラズマの乱流・磁場などの物理状態は、宇宙物理学的にも宇宙論的にも重要であるが、理解がほとんど進んでいない。これらの問題は根本的に、これら基礎物理や実効的な物理パラメータを直接観測的に理解することによってのみ解決される。本研究により、銀河団のミクロな物理量を探るための重要な二つのプローブが大幅に進歩したと言える。物理を探る下地を整えたことで、来るXRISMの時代に向けて万全の体制で銀河団プラズマの物理状態を探ることができることになろう。