研究課題
若手研究
電波銀河やすばる望遠鏡で選ばれたz~6 クエーサー領域のWISE,プランク等赤外線望遠鏡アーカイブデータ解析から、z~6までの遠方銀河高密度領域=原始銀河団の平均的な総赤外線放射を解明した。これにより、幅広い宇宙史に渡り原始銀河団領域では典型的に隠れた銀河形成ブラックホール進化があることがわかった。また個別原始銀河団の近赤外線分光観測等から、原始銀河団として最遠方の楕円銀河、活動銀河核がまさに星形成を抑制している銀河団楕円銀河を同定し、原始銀河団における銀河の激動的進化期の様子を明らかにした。
銀河形成進化
本研究ではアーカイブデータを用いて原始銀河団中遠赤外線放射の大規模調査を行い、その隠れた銀河形成・ブラックホール降着率の進化を初めて統計的に解明した。先行研究では精度が低かった中間赤外線解析も高精度化し、現在稼働中のどの望遠鏡にも困難な中遠赤外線の目となる手法を実証したことは、今後の遠方銀河研究において高い意義を持つ。2023年に打ち上げが予定されるユークリッド望遠鏡やルービン天文台、ローマン宇宙望遠鏡で得られる銀河団原始銀河団カタログにより、より多様な銀河環境について統計的研究を展開することが期待できる。