これまで、数100 mスケールの電離圏擾乱によるGNSS信号の振幅及び位相の揺らぎを観測することで、電離圏擾乱の研究が進められてきた。本研究ではこれより大きいkmスケールの電離圏擾乱の観測が可能なビーコン受信機を作成し、実際に観測を始めたことや、ロケット観測キャンペーンに参加した。これにより複数のスケールの電離圏擾乱を観測できる下地を確立したことは、様々なスケールで出現する電離圏擾乱の生成メカニズムの解明に貢献したものと考えられる。 また、本観測を継続することでGNSS信号に揺らぎを与える電離圏擾乱の発生が予測できれば、衛星測位の精度及び信頼性の向上が見込まれ、その社会的意義は大きい。
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