本研究では、超伝導遷移端型X線マイクロカロリメータ(TESカロリメータ)のエネルギー帯域・分光性能を劣化させることなく、TESカロリメータの開口率・有効面積を改善し、TES-EDSを用いて地球外物質の分析を実現することを目指している。有効面積の飛躍的な改善のために、デットスペースである配線スペースを覆うような迫り出した吸収体構造を持つマッシュルーム型吸収体を採用し、高い熱伝導率を得られるメッキ環境を導入し、日本で初めて製作に成功した。低温での動作実証の結果、エネルギー分解能は10 eV程度と要求されているエネルギー分解能も達成しており、地球外物質分析の実現に向けて大きく前進した。
|