本研究では「南岸低気圧による首都圏の大雪には、南海上からの水蒸気供給量や低気圧の雲構造が重要なのではないか」という仮説を立て、これを検証するためにアンサンブルシミュレーションによる解析を行った。2014年2月14~15日と2018年1月22日の事例を解析した結果、低気圧の雲構造・降水機構と水蒸気供給量、そして降雪前の大気下層気温場が首都圏の大雪に重要であることが2事例ともに示唆された。2018年1月22日の事例では、総観スケール環境場と低気圧の特性の違いから移動速度に差が生じた結果、首都圏での降水期間が変わり、大雪と大雨の違いをもたらすことを示唆する結果が得られた。
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