1970年以降、世界中で地震波形のスペクトルを用いた小地震の震源パラメータの推定が盛んに行われるようになってきた。その際には、小地震の破壊過程と震源スペクトルに特定の単純なモデルが仮定されてきた。しかし、もし実際の小規模地震の破壊過程に複雑性・多様性が存在する場合、上記のアプローチにより得られる推定結果の妥当性が疑われる。本研究では、日本の高品質地震波形データを用いて小地震の破壊過程を系統的に調べることにより、その震源過程に大きな多様性が存在することを示した。地震波放射エネルギーを用いることにより、スペクトル形状や破壊過程の仮定を用いずに小地震の震源特性を定量することが可能であることを示した。
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