本研究は,上部マントルの変形において重要な要素でありながら,測定が困難であるかんらん石中の含水量を,顕微赤外分光法(FT-IR)と電子線後方散乱回折法(EBSD)を組合せて定量化する新たな手法を開発し,天然のかんらん岩の含水量と結晶方位ファブリックパターンの関連性を明らかにすることが目的である。キンバーライト起源のかんらん岩捕獲岩試料を用いて,かんらん石のFT-IRマッピングを行い,Matlabを用いてスペクトル解析を行う事で,粒子内での含水量分布を明らかにする手法を確立させた.また,EBSD分析によってかんらん石のを計測し,結晶方向によって含水量に大きな違いはないことを明らかにした.
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