| 研究課題/領域番号 |
20K14583
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| 研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
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研究代表者 |
浦田 優美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (80780452)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 断層破壊 / 破壊の開始と停止 / 非一様応力摩擦場 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、空間非一様な応力・摩擦下における断層破壊の開始・停止の条件を理論的に解明し、その条件を自然地震発生モデルに適用することにより、自然地震の予測可能性を明らかにするとともに、想定南海トラフ地震について巨大地震発生の可能性を明らかにすることである。
今年度は、昨年度提案した破壊開始の可否を理論的に予測する指標を、2016年熊本地震に適用し、本震の震源位置を本震発生前に予測できるか検討した。本研究ではUrata et al. (2017, EPS) による2016年熊本地震の動的破壊伝播シミュレーションと同じ非平面断層のメッシュを用いた。Urata et al. (2017, EPS)によって主応力の大きさと摩擦パラメータを変えながら実施された多数のシミュレーションのうち、その計算結果が観測された本震破壊伝播の特徴を再現できた、空間非一様な応力場と摩擦構成則を仮定した。昨年度提案した破壊開始の指標を適用し、本震断層上の各点から破壊が動的に伝播し始めるために必要な破壊核サイズを推定し、破壊核サイズの空間分布を得た。断層上の大部分で、破壊核サイズは、仮定したメッシュサイズの2倍程度以下と推定された。本震震源周辺とそれ以外の領域とで、破壊核サイズの大きな違いを得ることはできなかった。さらに小さい破壊核サイズを見積もるためには、本研究より小さいメッシュサイズの断層モデルと応力・摩擦分布が必要と考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画通り、1年目に提案した非一様応力・摩擦下における断層破壊開始の理論予測手法を、自然地震に適用した。一方、研究代表者の所属機関変更により当初予定のエフォートを割くことができず、初年度の成果を論文として出版するには至らなかった。従って、当初計画からはやや遅れている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2020年度に提案した理論予測を想定南海トラフ地震に適用し、想定南海トラフ地震の震源位置と地震規模の可能性を解明する。研究成果を論文としてまとめ、国際学術誌に投稿・出版する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により学会がオンライン開催となり、国内外の出張旅費が不要になったため。また、論文出版費の支出に至らなかったため。次年度、論文の英文校正、投稿、オープンアクセス化のための費用として使用する予定である。
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