ヌクレオチド類のメタロ塩基対形成を介したポリヌクレオチド鎖の生成を検証する前段階として、ヌクレオシドモノマーの Ag+を介したメタロ塩基対形成について検証実験を行った。Ag+を介したメタロ塩基対形成の電気化学的解析の結果、Ag+を介したメタロ塩基対形成に伴い、Ag+が還元されにくくなるという特性があることを見出した。また、シチジン/Ag+ (2:1)錯体を化学的に還元することでAgナノ粒子が合成できることを見出した。この発見は、ヌクレオシドモノマーであるシチジンがメタロ塩基対形成を経由することで、化学反応の触媒となりうる物質であるAgナノ粒子の形成に関与できることを示唆するものである。
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