本研究では,複数分子種が存在する環境下でのRNA自己複製の実現に向けて,RNAを合成するRNA酵素(RNAポリメラーゼリボザイム)をモデル分子として用い,単純ペプチドの構造化によるリボザイム活性への影響を調べた.その結果,単純なペプチドが自己集合によりアミロイド構造を含む集合体を形成し,この集合体がRNA濃縮機能やリボザイム活性化機能を有することを発見した.さらに,その自己集合ペプチド配列を基に配列の再設計を行うことでペプチド配列および塩濃度がリボザイム活性に及ぼす影響を明らかにし,原始地球の様々な塩濃度環境下でも自己集合ペプチドがRNA区画化・リボザイム活性化をサポートした可能性を示した.
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