窒素雰囲気下で高周波誘導により加熱された低合金鋼SCM415に対して,純チタン微粒子を用いた微粒子ピーニングを施した.その結果,1373 Kで10 s間微粒子ピーニングを施した後,1373 Kで120 s間加熱保持を施すことにより,厚さ100~200 μmのチタン窒化物からなる硬質膜が形成された.これは,チタン粒子が被処理面に移着し,移着したチタンが処理雰囲気中の窒素と反応したためである.形成した被膜は高硬さを有するため,低合金鋼の耐摩耗性を向上させた.この耐摩耗性改善効果は高温でより顕著となった.また形成した被膜はチタン酸化物からなる保護被膜を形成するため,低合金鋼の耐食性も向上させた.
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