本研究では,共振点付近の加振振動数で試験片に曲げ振動を与えた場合の試験片の応力状態について,振動方程式から算出されるひずみの計算値およびひずみゲージを貼付した試験片から得られるひずみの実験値から検討した.その結果,未損傷試験片の一次共振点付近の曲げ振動時のひずみの分布を明らかにした.振動時の負荷の変化傾向は,加振振動数によって,徐々に負荷が増加する場合と徐々に負荷が低下する場合の2パターンに分けられる.そのため,負荷の大きさが徐々に増加する場合には,もう一方の場合と比べて,き裂進展とともに徐々にき裂進展に与えるピーニングの効果が小さくなることを明らかにした.
|