研究課題/領域番号 |
20K14622
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田島 真吾 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70862308)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 軌跡制御 / 冗長システム / 産業用ロボット / 機械加工 |
研究実績の概要 |
本研究では,2軸直交ステージと6軸産業用ロボットによる8軸制御システムを構築し,その運動学的冗長性を活かすことにより,機械加工に必要となる各関節軌跡指令の最適化を目的とする.とくに高速高精度な軌跡制御を実現するために,(1)所望の作業空間における位置姿勢誤差を考慮した工具軌跡の補間,(2)機械加工に必要な高い剛性および可操作性を維持する関節角度の選択,ならびに(3)機体振動を低減する速度プロファイルの生成を行い,これら3項目の同時最適化を実現する. 初年度である本年度には,作業空間での工具指令の線形補間およびコーナースムージングによる軌跡生成法の提案を行った.申請者が提案したDecoupled Approachを用いて,ロボットの手先の位置を直交座標系で線形補間し,手先の姿勢を球面座標系で球面線形補間することにより,作業空間における工具の線形動作を実現した.加えて,躍度に注目したコーナースムージング法により,滑らかな軌跡の生成を実現した. また,可操作性楕円体を用いてロボットの関節状態と剛性および可操作性の関係を表すことで,高い剛性および可操作度を維持するように冗長関節角度の選択法を提案した.関節状態および冗長関節と剛性の関係を示した剛性マップを用いて,剛性を高く維持できる関節軌跡の生成を冗長関節状態の最適化により実現した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り,作業空間での工具軌跡の補間および関節角度と剛性との関係を示すことが出来た. 本年度に導入予定であった6軸産業用ロボットの購入は次年度に繰り越した.その代わりに所属する研究室が導入した6軸ロボットアームによる制御システムの構築を行った. 加えて,次年度に実施予定であった機体振動を低減する速度プロファイル生成について,簡易モデルを対象にシミュレーションにて検証を行い,その有用性が確認できた. 以上を総合的に踏まえた結果,現在までの達成度はおおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施したシミュレーション解析の結果をもとに,6軸ロボットの機体振動を抑制する軌跡生成を実現する.この速度プロファイル生成に加えて,本年度に実現した作業空間での線形補間および剛性や可操作性を高く維持する冗長関節の選択法を合わせて,最適な軌跡生成アルゴリズムの構築を行う. また,次年度に繰り越した6軸産業用ロボットを導入し,8軸冗長制御システムを構築する.構築した制御システムを用いて,提案する軌跡制御アルゴリズムの有用性を実機で検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により,本年度に購入予定であった6軸産業用ロボットの選定および導入計画に遅れが生じた.その対応策として,本年度は代替となる6軸ロボットアームにて研究を進めたため差額が生じた.この差額分については,次年度に 6軸産業用ロボットの導入へ充当する予定である.
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