本研究ではサブマージアーク溶接中のキャビティ内部を実験観察するとともに,数値演算によってこの溶接現象を予測し,溶接条件が溶接現象に与える影響を明らかにすることを目的とした.その結果,実験観察においては,低電流域のサブマージアーク溶接中の溶滴移行を直接観察することに成功した.数値演算においては,サブマージアーク溶接現象特有の溶滴移行形態を再現することに成功し,サブマージアーク溶接中に壁面移行形態が生じるためには,溶融金属に働くローレンツ力とキャビティ内の圧力が重要であることを示唆した.また溶融池上のスラグ輸送についてもモデル化し,スラグが溶融池上を輸送される際に支配的となる駆動力を明らかにした.
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