研究課題
若手研究
熱流体機器の検査や評価のため,流路断面における流体の温度および速度分布を安価かつ簡便に測定する手法の開発が求められている.本研究では,医療分野などで利用されるCT(Computed Tomography)技術と,温度センサの一種である金属細線式測温抵抗体を組み合わせた温度分布測定法を開発した.加えて,流路の上流と下流で同時に温度を測定し,その変動の位相差から流体の速度を推定する手法を構築し,温度分布と速度分布を同時測定する見込みを得た.
熱工学
熱流体機器の省エネルギー化を実現するうえで,流体の温度や速度を測定する技術は重要である.例えば,内燃機関では排ガスの温度と速度を測定することで,大気へ捨てられる熱エネルギー(排気損失)を評価することができる.ただし,単点測定ではなく温度・速度の時空間分布を測定することは難しいため,本研究ではそれを比較的容易に実施できる抵抗線CT法の開発に取り組んだ.これにより,単点測定に比べてより詳細な情報を得られるようになり,熱流体機器の高効率化へ向けた新たな設計指針等を得られる可能性がある.