本研究では,広い開水路の底面から浸出壁を介して界面活性剤溶液を浸み出すことで,開水路乱流中に流動誘起ゲルを作り出し,流動誘起ゲルの時空間的挙動を実験的に調査した.開水路底面の浸出壁に固着して形成された流動誘起ゲルは10 cmオーダーの大きさまで成長することが明らかになった.これは従来のマイクロ流路で報告されていた流動誘起ゲルに比べて10万倍の大きさと言える.この流動誘起ゲルは乱流状態にある高速な流れをせき止めるほどの固体的な性質を有しており,高速な流れから瞬間的に横向きの力を受けると流動誘起ゲルの表層部分のみ連動することがわかった.
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