研究実績の概要 |
本研究ではセンサやマイコンを一切用いない機械式の反射デバイスをロボット各部に埋め込むことで,走行フォーム等の運動を創発する新たなロボット設計論の構築を行う. 本年度の主要な成果の1つとして,従来までに開発した人工筋肉および人工受容器に加えて,人工神経デバイスと呼ぶ新たな反射デバイスを開発した.本デバイスは,ロボットが環境から受ける力刺激や,他の人工筋肉の活性化度合に応じて,ロボット内を流れる空気圧力を調整する機能をもつ.本デバイスを用いた新たな筋骨格ロボットでは,拮抗筋を含む両足8本の人工筋肉を協調的に動かすことに成功した.本成果は,ロボット工学分野におけるトップジャーナルの1つであるIROS2020に採択された[1]. [1] Y. Masuda, K. Miyashita, K. Yamagishi, M. Ishikawa, and K. Hosoda, “Brainless Running: A Quasi-quadruped Robot with Decentralized Spinal Reflexes by Solely Mechanical Devices. ’’ IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS), 2020.
2つめの成果は,連続的な力制御が可能な新たな受容器デバイス[2]の開発である.従来の受容器デバイスは外力の有無に応じた離散的な空気圧力のON/OFFしかできなかったが,新たなデバイスを用いることで,連続的な外力の変化を,連続的な空気圧力に変換することが可能になった.本成果は,今後試みる筋骨格ロボットのバランス制御などに活用する予定である. [2] 増田,宮下,石川「 バルブでつくるロボットの神経基盤 第二報:連続的な外力フィードバックが可能な受容器デバイスの開発 」33回自律分散システムシンポジウム,2B2-02 ,32回自律分散システムシンポジウム(DAS2021),2B2-3,オンライン上,2021.
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