多種の情報機能と,人に似た外観と感触を備えるアンドロイド用皮膚の実現を目指し,本年度は主に,(1)皮膚変形によって呈示可能な情報量を増やすための顔皮膚運動の計測解析と,(2)人がアンドロイドの皮膚に触れた際に伝わる性格印象と皮膚触感の関係の解析,の2つのテーマを進めた.テーマ(1)について,アンドロイドの顔で呈示可能な情報量を増やすには,顔皮膚の変形をより高精細に操る技術が欠かせない.そこで,その技術向上のために,アンドロイドの表情が呈示可能な情報量を計算して定量評価を可能にする手法を提案し,また,アンドロイドと人の顔皮膚の変形状態を推定し比較する研究を実施した.前者は論文査読中であり,後者は学会発表を済ませ,現在論文準備中である.テーマ(2)については,ロボットの皮膚触感によって人に性格印象が伝わる効果は,特定の第一印象によって増強されることを見出した.この成果は論文として公開された.
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