• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

インダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータの理論構築と高出力化に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K14710
研究機関東京大学

研究代表者

畑 勝裕  東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70837294)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードDC-DCコンバータ / ハイブリッドDC-DCコンバータ / 電源回路 / 大電流出力 / インダクタ電流低減
研究実績の概要

本研究ではインダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータの具体的な回路構成を例として,理論解析に基づく回路設計および制御器設計に関する手法を体系的にまとめ,一般的なインダイレクト型回路トポロジーに応用できる理論を構築することを目的としている。特に,本研究では以下に示す3つのテーマを実施する計画であり,初年度で得られた成果を以下にまとめる。
1.定常特性の理論解析と高出力化:2つの回路状態で動作するインダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータに的を絞り,これらの動作モードにおける各電圧電流の振る舞いを解析し,デューティ比等に対する動作点を求める手法を確立した。また,各回路素子で生じる損失解析を行い,高出力化および高効率化を実現するために必要な素子選定を可能にする知見を得た。これらの知見はインダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータの体系的な設計論としてまとめる際に有用であると考えている。
2.過渡特性の理論解析と制御器設計:定常特性の理論解析でも利用した回路モデルをベースにして動作点まわりの小信号モデルを導出する手法を検討した。現時点では,最小限の寄生成分のみを考慮して検討を進めているが,なるべくシンプルな形で動特性を記述する伝達関数モデルを提案するために更なる検討が必要な状況である。しかし,現在得られている伝達関数モデルでも大まかな動特性を把握できており,今後の改良を通して制御器の設計手法につなげる計画である。
3.制御ICを含めた包括的な実機検証:当初計画では制御ICの設計・試作までを考慮していたが,予算減額に伴って制御ICの試作が困難となったため,デジタル制御ボードを利用した制御器の開発および実機検証を中心とした計画に切り替えている。しかし,デジタル制御ボードを用いた制御系の構築を通して,アナログIC設計にも有用な知見を得ることを目標に,最終年度の実機検証に向けた試作ボードを開発中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータの理論構築と高出力化に向けた3つ研究課題において,現在までに得られた研究成果は下記の通りであり,おおむね順調に進展している。
1.定常特性の理論解析と高出力化:2つの回路状態で動作するインダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータに的を絞り,これらの動作モードにおける各電圧電流の振る舞いを解析し,デューティ比等に対する動作点を求める手法を確立した。また,各回路素子で生じる損失解析を行い,高出力化および高効率化を実現するために必要な素子選定を可能にする知見を得た。今後はこれらの知見を活用してインダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータの体系的な設計論としてまとめる計画である。
2.過渡特性の理論解析と制御器設計:定常特性の理論解析でも利用した回路モデルをベースにして動作点まわりの小信号モデルを導出する手法を検討した。現時点では,最小限の寄生成分のみを考慮して検討を進めているが,なるべくシンプルな形で動特性を記述する伝達関数モデルを提案するために更なる検討が必要な状況である。しかし,現在得られている伝達関数モデルでも大まかな動特性を把握できており,今後の改良を通して制御器の設計手法につなげる計画である。
3.制御ICを含めた包括的な実機検証:当初計画では制御ICの設計・試作までを考慮していたが,予算減額に伴って制御ICの試作が困難となったため,デジタル制御ボードを利用した制御器の開発および実機検証を中心とした計画に切り替えている。しかし,デジタル制御ボードを用いた制御系の構築を通して,アナログIC設計にも有用な知見を得ることを目標に,最終年度の実機検証に向けた試作ボードを開発中である。

今後の研究の推進方策

基本的にはインダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータの理論構築と高出力化に向けた3つの研究課題を継続して実施するが,3.制御ICを含めた包括的な実機検証は予算減額の都合で制御ICの試作が困難であるため,デジタル制御ボードを用いた制御系の構築ならびにアナログIC設計にも有用な知見を得ることを目標に研究を推進する計画である。そのため,今後の研究は下記の通り実施する計画である。
1.定常特性の理論解析と高出力化:2つの回路状態で動作するインダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータに的を絞り,これまでに得られた各動作モードにおける電圧電流の振る舞いの解析,各回路素子で生じる損失解析をベースとして,インダイレクト型ハイブリッドDC-DCコンバータの高出力化および高効率化を実現するために必要な素子選定法ならびに体系的な回路設計法をまとめる。
2.過渡特性の理論解析と制御器設計:定常特性の理論解析でも利用した回路モデルをベースにした動作点まわりの小信号モデルを活用し,なるべくシンプルな形で動特性を記述する伝達関数モデルを提案するための解析手法を検討する。特に,制御器設計を簡素化するためになるべく低次の伝達関数モデルを導出する手法を検討しつつ,負荷変動を含む様々なパラメータ変動下でも実用に耐え得るモデル構築手法を確立する。また,これらの成果を制御器設計に活用する。
3.制御系を含めた包括的な実機検証:当初計画では制御ICの設計・試作までを考慮していたが,予算減額に伴って制御ICの試作が困難なため,デジタル制御ボードを利用した制御器の開発および実機検証に切り替えて実施する計画である。しかし,デジタル制御ボードを用いた制御系の構築を通して,アナログIC設計にも有用な知見を得ることを目標に,高出力化および高効率化を実現する回路設計ならびに低次化された伝達関数モデルに基づく制御系を搭載した試作ボードを用いて実機検証を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 1/2前後の降圧比で高効率な常時デュアルパスハイブリッドDC-DCコンバータ2021

    • 著者名/発表者名
      畑 勝裕, 江 洋, 羅 文基, 高宮 真
    • 学会等名
      電気学会半導体電力変換・モータドライブ合同研究会
  • [学会発表] Always-Dual-Path Hybrid DC-DC Converter Achieving High Efficiency at Around 2:1 Step-Down Ratio2021

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiro Hata, Yang Jiang, Man-Kay Law, Makoto Takamiya
    • 学会等名
      IEEE Applied Power Electronics Conference and Exposition (APEC)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi