研究課題/領域番号 |
20K14714
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐藤 光秀 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (80793968)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リニア発電機 / フリーピストンエンジン / インバータ制御 / 発電損失 / 熱損失 / 摩擦損失 |
研究実績の概要 |
フリーピストン式エンジン発電機は,クランク式エンジン発電機に比べて40%超の機械損失低減が可能となることから,次代の高効率エンジン発電機として期待される。しかし、クランクを利用しないために、インパルス状のエンジン燃焼力がリニア発電機に直接作用することに起因して、高効率な発電状態を維持し難い。特に、エンジンを左右に設けるデュアル型では、1往復で2回の燃焼力が作用するため、損失の増加に伴う出力低下が顕著である。 本研究では、インバータ制御を利用したリニア発電機の可動子動作履歴の変化が損失改善に有効であることを明らかにする。熱損失はエンジン熱解析シミュレータ,発電損失・摩擦損失は数値解析ソフトウェアを用いて試算した。 可動子運動履歴は,クランク機構と同じ正弦波波形を基準とし,減衰振動系を実現するように歪みを与えた波形,高周波化およびロングストローク化させた波形をインバータ制御で実現した。 その結果,歪んだ波形とすることで力行することなく回生のみで運転継続が可能となり,損失低減に有効であった。また,高周波化・ロングストローク化で摩擦損失はわずかに増えるものの,熱損失,発電損失が低減し,合計損失は17.8%低減可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
可動子の運動履歴を変えることで熱損失や発電損失の改善に有効であることがシミュレーションで示された。また,デュアル型フリーピストン式エンジン発電機の実験環境構築も進行中である。以上の観点から,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
デュアル型フリーピストン式エンジン発電機の実験環境を構築し,シミュレーションで得られた損失低減効果の実証を得る。
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