研究実績の概要 |
本研究では、高効率な高周波・高速モータシステムの実現を目指し、インバータ(直流交流変換回路)駆動時の高周波磁性材料研究を行う。ここでは、高周波 (MHzオーダー)インバータ駆動時の磁性材料の基礎特性の測定等を行う。 本年度、下記の3点の成果を得た。(1)高周波インバータ駆動時 (MHzオーダー)の磁性材料の評価システムを作製し、高周波インバータ励磁下のNO (無方向性電磁鋼板)材の磁気ヒステリシス曲線を実験的に評価した。高周波領域での、駆動電圧の立ち上がり時間が鉄損増加の原因になる事を明らかとした。以上の結果をまとめた論文 (Journal of the Magnetics Society of Japan, Vol. 44, No. 4, pp. 87-90 (2020))が出版された。 (2)作製した高周波インバータ励磁下の評価システムを用い、アモルファス材およびナノ結晶材の磁気ヒステリシス曲線を実験的に評価した。また、ナノ結晶材では、アモルファス材と比較し、高周波領域でのデットタイムによる鉄損増加を抑制できることを示した。以上の結果に関連する内容をまとめ、65th Annual Conference on MMMで発表した。また、論文 (Journal of the Magnetics Society of Japan, Vol. 44, No. 6, pp.129-132 (2020))が出版された。 (3)高周波領域において、SBD (Schottky Barrier Diode)を内蔵したインバータ駆動時のNO材の鉄損が、ボディダイオードを用いたインバータ駆動時と比較し、低減することを示した。以上の結果をまとめた論文 (AIP Advances, Vol. 10, No. 12, pp. 125129-1-5 (2020))が出版された。
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