研究成果の概要 |
本研究では, EV用モータシステムの小型軽量化と高効率化のために, 磁気ギア(Magnetic Multiple Spur Gear:MMSG)と複数台の高速モータを一体化したインホイールモータシステムを提案した。研究成果として, MMSGを用いた駆動システムは42,000rpmまでの高速領域において, ギア効率90%以上, ギアトルク密度158kNm/m3が得られることを実機実験により明らかにした。これにより, これまで成し得なかった磁気ギアの高速化, 高効率化, 高トルク密度化を達成した。また, 複数台の高速モータを簡単かつ安価なシステムにより高効率に駆動するための制御方法を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁気ギアは非接触での動力伝達が可能であり, メンテナンスフリー, 低振動, 低騒音, 伝達効率が高い利点がある。しかし, 従来の磁気ギアの多くは動作原理が磁束変調方式に基づいているため, 高速回転時には高調波磁束に起因した損失増大や入力ロータの機械強度の課題があり, 自動車のように入力モータの回転速度が10,000rpm以上の用途に適用することは困難であった。本研究により新しい磁気ギア(MMSG)が提案され, 実機実験により高速駆動, 高トルク密度, 高効率が達成されたことは, 磁気ギアの高速化に向けた有用な成果であり, EV用モータシステムの小型軽量化と高効率化に貢献できる成果である。
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