位置検証・位置推定を統一された枠組みで取り扱う理論を導出できた。まず,共通する前提条件を設定し,それぞれの性能である検定量分布・誤報率・検知率(位置検証)および精度(位置推定)を導出した。その上で,位置推定の結果をもとに位置検証を定式化するなど,結果の相互変換により全体として理論の統一を達成できた。また,導出した理論を航空分野のシステムであるADS-Bに適用することで,位置検証の性能向上に関する知見が得られた。具体的には,位置検証をそのまま行う「直接法」と位置推定を経て位置検証を行う「間接法」を比較し,受信局が十分ある場合には後者が優れることを明らかにした。
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