研究課題
本研究では、疾病や健康状態に関わる生体分子をスマートフォン内蔵のカメラで迅速・高感度かつ定量的に検出できるバイオセンシング技術の確立を目的として、標的の生体分子をセンサ感応部の色の変化として数値化して検出可能な金属ナノ構造配列表面を開発した。センサ基板の色の変化による標的分子の検出を可能にするため、鮮やかに発色する金属ナノドームアレイ構造をセンサの感応部に用いたセンサ基板を作製し、そのセンサ性能評価を行った。2021年度までに、色相角度で数値化された色をセンサ信号に用いるために最適な金属ナノドームアレイ構造を実験ならびに数値計算によって決定し、溶液の屈折率変化を検出する屈折率センサとしての性能評価を行った。また、モデルイムノアッセイによる比色型プラズモニックバイオセンサの性能評価を行った。反射分光法および反射画像からの色相角度解析による測定を行い、両手法による信号対ノイズ比および検出限界濃度を比較した。その結果、比色法の検出限界濃度は分光法よりもわずかに劣るものの、概ね同等のセンサ性能が得られることが明らかとなった。これにより、提案の比色型プラズモニックバイオセンサの原理実証がなされた。2022年度には、腫瘍マーカーの一つである神経特異エノラーゼ(NSE)の検出性能評価を行った。センサ基板のカラー画像の画像処理の改良によって、蛍光標識等を用いない直接検出法で、診断基準値レベルのNSEの検出に成功した。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (3件)
Advanced Engineering Materials
巻: 25 ページ: 2200912~2200912
10.1002/adem.202200912
https://t2r2.star.titech.ac.jp/cgi-bin/researcherinfo.cgi?q_researcher_content_number=CTT100794803
https://scholar.google.co.jp/citations?user=04UXBRsAAAAJ&hl=ja
https://researchmap.jp/7000012167