本研究では、疾病や健康状態に関わる生体分子をスマートフォンのカメラで迅速・高感度かつ定量的に検出できるバイオセンサの確立を目的として、標的の生体分子をセンサ感応部の色の変化として測定可能な金属ナノ構造配列表面を開発した。具体的には、発色する金属ナノドームアレイ構造を用いてセンサ基板を作製し、比色型のプラズモニックバイオセンサの原理実証を行った。モデルイムノアッセイの実験では、比色法と従来の分光法では、概ね同等のセンサ性能が得られることが明らかとなった。また、腫瘍マーカーの一つである神経特異エノラーゼの検出性能評価では、蛍光標識等を用いない直接検出法で、診断基準値レベルの標的の検出に成功した。
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