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2021 年度 実績報告書

細胞を利用した大気中駆動型ワイヤレス微小サイズ力センサの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K14750
研究機関茨城大学

研究代表者

上杉 薫  茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (20737027)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードFRET / 力センサ / 細胞
研究実績の概要

細胞を力センサに応用することで,全く新しい力センサとして生物の力学的特性測定に応用できると考えた.細胞を用いた力測定方法として,我々はFluorescence Resonance Energy Transfer(FRET)に注目した.本研究の目的は,細胞を使用した微小サイズの力センサを用いて,マイクロニュートンからミリニュートンレンジでの力測定を大気中で行うことである.そのために,FRET機能導入細胞を力測定に利用できるか確認した.具体的には, FRET機能を導入した細胞が表面に接着した非生物構造体を,外力を用いて変形させ,変形した際のFRET比を解析することで,構造体にかかった外力の大きさを評価した.
先ず,細胞に対するFRET機能遺伝子導入条件の検討を行った.結果,哺乳類細胞(ラット平滑筋細胞:A7r5)と両生類細胞(繊維芽細胞:XTC)に対する効率の良い遺伝子導入条件を明らかにし,FRET機能遺伝子の導入に成功した.また,FRETを観察するために専用の観察システムを構築した.更に,FRET機能遺伝子導入細胞と構造体(PDMSチャンバ)に引張刺激を与えるための引張試験システムを開発した.そして,PDMSチャンバ内で培養したA7r5細胞に引張試験システムを用いてひずみを与え,この時の細胞の蛍光観察を行った.そして,チャンバに与えたひずみに応じて細胞も歪んでいることが確認できた.センサ,コントロール共に引張刺激によってFRET比が上昇していることが確認された.これは,FRETの挙動としては不自然であるが,本結果が退色の影響によるものでないことが考えられた.このことから,今回はFRETによるひずみ量評価は行えなかったものの,FRET以外の効果によっても細胞や構造体のひずみを蛍光観察によって評価できる可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 細胞への静水圧刺激負荷による紫外線誘導DNA 損傷の抑制効果2021

    • 著者名/発表者名
      上杉 薫、佐藤 賢也、長山 和亮
    • 雑誌名

      実験力学

      巻: 21 ページ: 208~214

    • DOI

      10.11395/jjsem.21.208

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Measurement and Evaluation of Mechanical Properties of Living Things by Developing Force Measurement Systems and Fixtures2022

    • 著者名/発表者名
      K. Uesugi
    • 学会等名
      International Workshop on Molecular Cybernetics: Toward Chemical AI
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 再生皮膚組織の機械的特性評価に適した引張試験システムの開発2021

    • 著者名/発表者名
      喜多則文,武藤潤,長山和亮,上杉薫
    • 学会等名
      関東学生会第60回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 聴覚を用いた細胞情報評価方法の提案2021

    • 著者名/発表者名
      滝口裕也,長山和亮,上杉薫
    • 学会等名
      関東学生会第60回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 顕微鏡下マイクロ引張試験機による単一細胞の機械的特性・及び接着力の同時評価 ~微小管重合阻害した子宮頸癌由来HeLa細胞の力学的特性変化~2021

    • 著者名/発表者名
      上杉薫,小幡祥太,長山和亮
    • 学会等名
      日本機械学会 2021年度年次大会

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公開日: 2022-12-28  

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