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2020 年度 実施状況報告書

羽ばたきコミュニケーションを瞬時に読み取るミツバチカメラの研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K14751
研究機関広島大学

研究代表者

島崎 航平  広島大学, デジタルものづくり教育研究センター, 特任助教 (20867303)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードアクティビティセンシング / 生物モニタリング / 高速ビジョン / 振動イメージング / 振動源検出
研究実績の概要

令和2年度は、複数周波数帯域を分離可能とする階層的画素レベル信号処理機能とCNNを用いたミツバチ個体検出機能の統合により、個体毎の羽ばたきコミュニケーション検出を実現するミツバチ行動解析アルゴリズムを構築し、巣内ダンスをオフライン撮影した1000fps動画に対して基本動作を確認した。
(A) 体の動きと羽ばたきを周波数分離可能とする階層的画素レベル信号処理 1) 巣箱におけるミツバチの8の字ダンスに対し、長時間記録用オフライン高速度カメラを用いた500fps動画撮影を行った。2) GPUボードを搭載したワークステーションに対し、全画素輝度信号に対する短時間フーリエ変換機能を並列実装した。3) 2)に基づき、ダンスを行うミツバチ周辺画素の輝度信号に対し、尻振り動作の周波数検出を行い、その入力波形からダンス開始時刻と終了時刻を検出し、その継続時間を計測した。4) マニュアル指定したダンスを行うミツバチROI領域に対して2)の処理を実行し、15~20Hzの尻振り周波数成分と150-300Hzの羽ばたきコミュニケーション成分が分離可能となることを確認した。
(B) オフライン高速ビデオ画像を用いたコミュニケーションダンス解析アルゴリズム 1) (A)で収集したミツバチ画像データセットによりトレーニングされたCNNに基づくUnet セグメンテーション等を用いて複数ミツバチ位置・姿勢検出アルゴリズムの基本動作を確認した。2) 1)を利用して、巣内ダンスを撮影した高速ビデオ動画に適用し、全てのミツバチの位置・姿勢検出を行った。3) 画像内の全てのミツバチの尻振り・羽ばたき動作を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複数周波数帯域を分離可能とする階層的画素レベル信号処理機能とCNNを用いたミツバチ個体検出機能をそれぞれ実現できており、令和元年度に当初予定していたすべての研究項目を実施できており、概ね順調に進展しているものと判断できる。

今後の研究の推進方策

現時点で大きな障害となるものはないが、巣箱内でのアクティビティ観測が実験レベルで留まることが懸念されており、ミツバチカメラの実用化を見据えた上での幅広い応用先へと展開するために、使用用途の限定されたアクリル板を用いた観察巣箱だけではなく、巣箱周辺を飛翔するミツバチのアクティビティ変化も検出していく必要性があると考えている。令和3年度は「羽ばたきコミュニケーションを実時間で捉えるミツバチカメラの開発」を実施し、高速ビジョンをベースとした音声周波数レベルの羽ばたきコミュニケーションを実時間イメージング・定量化するミツバチカメラの有効性の検証を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の流行で旅費の支出が当初の予定通り進まず、数百円の残額が生じたが、次年度の予算と合わせて使用すると、物品購入の選択肢に幅が広がり有効活用できるため、繰り越しを利用した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] パノラマ振動カメラを用いた広域コンベア稼働モニタリング2021

    • 著者名/発表者名
      島崎航平, Zulhaj Aliansyah, 妹尾拓, 石井抱, 伊藤友彦
    • 雑誌名

      鉄と鋼

      巻: 107 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A 500-fps Pan-tilt Tracking System with Deep-learning-based Object Detection2021

    • 著者名/発表者名
      Mingjun Jiang, Kohei Shimasaki, Shaopeng Hu, Taku Senoo, and Idaku Ishii
    • 雑誌名

      IEEE Robotics and Automation Letters

      巻: 6 ページ: 691-698

    • DOI

      10.1109/LRA.2020.3048653

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 500-fps Omnidirectional Visual Tracking Using Three-Axis Active Vision System2021

    • 著者名/発表者名
      Mingjun Jiang, Ryo Sogabe, Kohei Shimasaki, Shaopeng Hu, Taku Senoo, and Idaku Ishii
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement

      巻: 70 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1109/TIM.2021.3053971

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] A long-time automated honeybees count system using high-speed vision2021

    • 著者名/発表者名
      Hironori Yoshida, Kohei Shimasaki, Taku Senoo, Idaku Ishii, and Kazuhiko Yamamoto
    • 学会等名
      2021 IEEE/SICE International Symposium on System Integration
    • 国際学会
  • [学会発表] Vibration-feature-based Multicopter Detection with CNN-based Appearance Validation2021

    • 著者名/発表者名
      Raut Sushil, Kohei Shimasaki, Taku Senoo, and Idaku Ishii
    • 学会等名
      7th IEEJ International Workshop on Sensing, Actuation, Motion Control, and Optimization
    • 国際学会
  • [学会発表] An Omnidirectional Multicopter Tracking System with HFR-Video-Based Vibration Source Localization2021

    • 著者名/発表者名
      Mingjun Jiang, Ryo Sogabe, Kohei Shimasaki, Taku Senoo, and Idaku Ishii
    • 学会等名
      7th IEEJ International Workshop on Sensing, Actuation, Motion Control, and Optimization
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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