研究課題
本研究の目的は、フッ化物ファイバを光伝送路とした中赤外3um帯の光ファイバセンサの新規開発である。波長2um以上の中赤外光は分子の指紋領域と呼ばれ、様々な分子に対して吸収線が存在する。そのため、中赤外域のファイバセンサは計測技術として、広範な分野で有用なデバイスになり得る。石英ファイバとは光伝送特性が異なり、フッ化物ファイバは中赤外領域の光の伝送特性に優れているため、提案課題ではジルコニウム系のフッ化物ファイバを用いて実験を行う。提案課題で実施した研究により、フッ化物ファイバを光伝送路とした光ファイバセンサの開発に成功した。開発した光ファイバセンサは、光ファイバセンサの光伝送路の途中に側面研磨によりセンサ部を形成させることでエバネッセント波の染み出しにより外界の情報が取得可能である。当初の研究計画では、光ファイバ導波路の途中にコア径が小さい小切片を挿入・融着することで形成する、ヘテロコア構造の作製を計画していたが、作製の難易度が高く、実験の成功率が低かったため、計画を変更し、側面研磨によるセンサ部の作製を行った。また独自に開発したエルビウム/ディスプロシウム共添加ファイバを利用した自然放射増幅光源(ASE光源)を用いた計測システムにより、計測実験を行い、気体及び液体の分光計測実験を実施した。以上の実験結果から、開発した計測システムの有用性を示し、提案する光ファイバ型赤外吸収分光計測システムの実現性を明らかにした。
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Sensors and Actuators B: Chemical
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