対象物体の位置,形状,電気定数分布を求める逆散乱問題を解くには,散乱波だけでなく入射波の情報も必要となる.そこで,過去の研究において,観測円上で測定された電磁界から入射波を推定する手法を提案した.対象物体への入射波は,物体の探査に使う電磁波と携帯電話などからの不要電磁波が合成されたものである.そこで,本研究では,不要電磁波が混在した場合で,観測円上で測定された電磁界から提案手法を用いて入射波情報の抽出を試み,さらに電界のみから入射波情報を抽出する手法を提案した. また,周波数領域解析と高速フーリエ変換を活用した方法を検討し,層状媒質の散乱波をFDTD法よりも高速に求めることができた.
|