研究課題/領域番号 |
20K14762
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
仲野 聡史 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30847893)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 制御工学 / ドローン / 協調制御 |
研究実績の概要 |
2020年度は,制御理論の構築に注力し研究成果を挙げた.初年度は本研究の実施計画にある課題のうち,「飛行・車輪走行の切り替え制御系設計」を目指した課題に主に取り組んだ.飛行と車輪走行の二つのモードを切り替える制御を最終的に目指しているため,モード切り替えを考慮した制御にも応用例が報告されている制御リアプノフ関数 (CLF) と制御バリア関数 (CBF) を利用した問題設定で,一台のドローンの制御を行う手法を提案した.具体的には,ドローンの障害物回避制御を,バックステッピング法により導出されたCLFおよびCBFを用いた問題定式化により実現し,数値シミュレーションを通して有効性および妥当性を確認した. また,最終的に複数台のドローンによる協調モニタリングを考察する予定としているため,視覚フィードバック制御則の導入にも着手した.Image-Based Visual Servoing (IBVS) と呼ばれる代表的な視覚フィードバック制御則を車輪付きドローンに適用し,制御性能の向上を達成した. 実験環境に関してモーションキャプチャを用いた環境構築に成功し,ドローンの協調により移動範囲が広い場合であっても高精度なデータ計測および実験実施が可能となった. また,最初に挙げたCLFとCBFを利用したドローンの制御に関する研究結果に関して国内学会発表を行い,優秀発表賞を獲得した.そのため,本研究内容は対外的に高い評価を得ており,広く学術的な意義が認められていると言える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の主目的に関連があるCLFとCBFに基づくドローンの制御則を提案し,関連する国内学会発表が優秀発表賞を受賞したが,飛行・車輪走行の二つのモードを切り替える制御則の構築に関しては予定通りの進展を得ることができず課題が残った.コロナウイルス感染拡大の影響もあり,実験環境構築にも遅れが生じているため,(3)やや遅れていると進捗状況を評価する.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,2020年度に想定していた進捗が得られなかった飛行・車輪走行モードを切り替える制御手法の提案に注力し,学会発表を行うことを目指す.さらに,カメラの視野角を考慮した協調制御則の構築にも着手し,得られた研究成果を学術論文誌に投稿することを目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の影響により,当初参加を計画していた国際学会がオンライン開催になったことで参加費が大きく減額され,次年度使用額が生じた.また,実験環境構築に遅延が出たことも予算の使用計画に影響を与えた.本年度は,計画通り実験環境構築に注力し本予算を使用することを計画している.
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