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2020 年度 実施状況報告書

人に「寄り添う」制御の理論体系の構築:非線形制御とあいまいさに基づくアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20K14767
研究機関富山県立大学

研究代表者

大倉 裕貴  富山県立大学, 工学部, 助教 (20842777)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード非線形制御 / 人間機械系
研究実績の概要

人が行う意思決定は,機械システム側から見ると,あいまいで非線形性を有している.それによって引き起こされる現象が,人にとっての不快感や作業結果としての不利益などにつながり,人―機械協働のための制御系の設計を難しくしている.そこで,システムの効率性などの性能だけでなく,人が感じる快適さなどの価値も取り入れた制御,すなわち人に寄り添う制御の理論体系の構築を目指すことを,本研究の目的としていた.そのために,(1)制御モデルの構築,(2)モデルの統合と理論的な解析,(3)協働ロボットを用いた検証,これらの3つの内容を遂行していく計画であった.特に今年度は(1)の制御モデルの構築に関して,検討を進めた.人が直接操作する量の情報に加え,その人の周囲を取り巻く環境の情報をセンシングして統合を図るモデルによって人に寄り添う制御系の構築をするために,最適制御に基づく人や機械などの多エージェントによる協調制御や,外乱オブザーバーなどを援用したアシスト制御などの枠組みについて検討を行なった.この結果について,人と機械システムによる協調搬送を例に考え,数値計算によるシミュレーションで,検討した制御方法に関しての有用性を検証した.一定の効果が示唆されたが,今後人の周囲を取り巻く環境のセンシング情報をさらに活用することで,より人に寄り添うことが可能な機械システムの制御について継続して検討を進めていく予定である.また(3)の検証のために必要なシステム構築の準備も進めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に挙げていた3つの項目(制御モデル構築・統合と理論的解析・検証)に関して,計画に基づき遂行が順調にしている.また,次年度以降に遂行予定の検証のための準備も進めており,次年度以降も当初の計画通りの遂行が可能であろうと期待される.

今後の研究の推進方策

今年度は制御モデルの構築を重点的に遂行してきた.次年度以降は当初の計画通りモデルの統合と理論的解析及び検証を進めていきたいと考えているが,今年度得られた制御モデルに関しても興味深い結果を得ることができたため,引き続き制御モデルの改良も推進していきたいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた学会発表が,COVID-19による影響ですべてオンライン開催へとやむなく変更となり,その結果旅費の使用が無くなったことによって次年度使用額が発生した.これについては次年度以降の成果発表に関する費用に充てる予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Virtual Holonomic Constraints Control for port-Hamiltonian Systems: A Case Study of Fully Actuated Mechanical Systems2020

    • 著者名/発表者名
      Y. Okura, K. Fujimoto, and C. Kojima
    • 学会等名
      1st Vritual IFAC World Congress (IFAC-V 2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] A Study on Cooperative Control for Multi-agent Systems Based on Nonlinear Optimal Regulator2020

    • 著者名/発表者名
      Y. Okura, C. Kojima, M. Nakamura, K. Sakakibara, and T. Motoyoshi
    • 学会等名
      The SICE Annual Conference 2020 (SICE 2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] 非線形最適制御によるマルチエージェントシステムの協調制御について2020

    • 著者名/発表者名
      大倉裕貴・小島千昭・中村 正樹・榊原一紀・本吉達郎
    • 学会等名
      第63回自動制御連合講演会

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公開日: 2021-12-27  

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