持ち運び可能な機材による中性子イメージングを実現するため,中性子捕獲層と信号捕獲層との積層構造を有するダイヤモンド中性子検出器を開発した.中性子検出の原理実証,及びホウ素と窒素の補償ドーピングによる低ノイズ化の実証を目的として研究を行った. (1)半導体ダイヤモンドの合成と評価,(2)電極形成などの要素技術開発,(3)放射線信号読出しの実証,の各研究目標を達成し,中性子検出の原理実証に成功した.さらに,積層構造により,構想時の予想を超えて高感度できる新しいセンサ動作モデルを見出した.また,ホウ素・窒素補償ドーピングにより抵抗率の向上を実証し,暗電流低減による信号ノイズ比改善に成功した.
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